タイ移住にはどんな種類のビザがあるのかなあ…
タイでは観光目的で日本国籍であれば、事前に何の申請もいらず
パスポートのみで 30日間 (現在は60日間)滞在することができます。
しかし 30日 60日以上滞在するとなると、長期滞在ビザが必要です。
今回は『タイの主なビザの種類と取得条件』について解説をします。
『ビザ』とは
まずは『ビザ』について説明をします。
渡航先の国への入国・滞在を許可するために発行する『許可証』のようなものです。
日本のパスポートは世界的にみてもビザなしで渡航が可能な国数がとても多い国く、
旅行などの短期滞在ではビザを発行する必要がほとんどありません。
そのため、海外で長期滞在をする際に必要になる場合が多いのですが
ほとんど数日の海外滞在しかしない私たちにとって、ビザはなかなか馴染みのないものです。
ビザなしで渡航が可能な国数 (2022年時点)
1.日本・シンガポール (193)
2.韓国 (192)
3.ドイツ・スペイン (191)
4.フィンランド・イタリア・ルクセンブルク (190)
5.オーストリア・デンマーク・オランダ・スウェーデン (189)
6.フランス・アイルランド・ポルトガル・イギリス (188)
7.アメリカ・ベルギー・チェコ・ニュージーランド・ノルウェー・スイス (187)
自身も移住を決意するまではビザとは何なのかを全くわかっていませんでした。
タイにおいては30日以上 (現在は60日以上)滞在される際には『滞在許可証』のような意味合いで
ビザの発行が必要となります。
どういった目的でその国に入国をし、長期滞在するのかを相手国に明確に示す必要があるのです。
2024年のビザ制度の改定
執筆当初と現状が異なり、2023年まではノービザ(パスポートのみ)での滞在期間は30日間だったのですが、2024年から60日間の滞在が可能となりました。それに伴い、本記事の内容は要所で修正・追記をしております。
『2024年のビザ制度の改定』について、詳しくは以下の記事をご確認ください。
タイのビザの種類・取得条件
それでは順番に主なビザの種類と取得条件を確認していきましょう。
①ノービザ
先ほども記述しました通り、日本国籍であり、日本のパスポートを所有していると
タイへ 30日間 (現在は60日間)滞在が可能です。
30日間 60日間の滞在の中で、「タイにもう少し居たいな」と思った時は
タイ国内の『イミグレーションオフィス(入国管理局)』にて
さらに30日間 (最大計60日) (現在は最大計90日)滞在延長の手続きが可能です。
イミグレーションオフィスは
ビザなどの取得と更新手続き、短期滞在期間の延長手続きなどを行う政府機関です。
『タイでの滞在期間を30日増やす延長手続きと費用』については、以下の記事をご確認ください。
取得条件
ノービザなのでビザの取得条件はありません。パスポートを持ってそのままタイへ入国をするだけです。
年に何度も出入国を繰り返している場合はタイに入国の際に税関に
「次回はビザをとって入国するように」と注意されることがあります。
滞在延長は一回の入国につき一度のみ可能です。
イミグレーションオフィスで1,900バーツ(約7,600円)を支払って延長の手続きをします。
②観光ビザ
観光ビザは観光を目的として中期で滞在をする際に発行するもので
観光ビザにはタイへ渡航する前に日本国内で発行することもできますし
タイ以外の国であれば申請・発行をすることができます。
(日本人がマレーシアやラオスなど、日本以外の国でタイの観光ビザを発行することも可能です。)
タイ入国前に観光ビザを発行しておくことで、タイへ入国後60日間の滞在が可能です。
こちらもノービザと同様に一度だけ30日間の延長が認められています。
なので事前に観光ビザを発行して、イミグレーションオフィスにて延長した場合は
一度に最大90日間の滞在が可能です。
現在は一回のノービザ入国で60日間滞在することができます。
ビザ制度改定後も観光ビザでの滞在可能期間は60日間と変わらずなので、現状、特には発行する必要ないかと思います。(ノービザで60日間滞在できない国籍の方が取得するものとなりました。)
※このビザでのタイ国内の就労はできません。
取得条件
観光ビザに関しましては取得する国や就職しているのかなどにもよって条件が変わります。
日本で取得される場合は
パスポートのコピー、経歴書、航空券や滞在先ホテルの予約の確認書、銀行残高証明書など
申請書類を事前に用意した上でタイ大使館で手続きをする必要があります。
書類に不備がなければ、観光ビザの発行は申請より3日ほどで発行可能です。
費用は5,500円。発行から3ヶ月有効となっております。
また『在東京タイ大使館』『在大阪タイ大使館』など
ビザ発行を申請をする場所によってもビザ発行条件が少し異なる場合があるようです。
後ほど各地域の在日タイ大使館のホームページを掲載しておきますので
詳しくはそちらからご確認ください。
③EDビザ(教育ビザ)
EDビザは『教育ビザ』などと呼ばれています。
EDビザにはタイ国内の国立・私立大学・インターナショナルスクールなど、のガッツリの学校に入るためのものと
語学留学という形で、国立・私立の教育機関でない学校(語学スクールなど日本のECCのようなイメージ)
に入学するものがあります。
タイに長期滞在をするためには比較的、低コストで取得できるビザです。
タイへの移住となると国立・私立でなく語学スクールなどでEDビザを取得される方が
ほとんどだと思いますので、今回は語学スクールに限ったケースでお話をさせていただきます。
EDビザはタイ国内でも、日本国内でも取得が可能です。
取得にはタイ国内の教育省に認可されている語学スクールと契約をする必要があります。
※このビザでのタイ国内の就労はできません。
EDビザでの就労はできませんが、現地で就職をしたい場合
一時的に短期で語学学校と契約を結んでEDビザを発行してもらい長期滞在をできるようにしておき
その期間内に現地採用先を探し、現地で就職をして後述する労働ができるビザ『就労ビザ』を取得するという手段などもあります。
タイ国内で取得する場合
ノービザや観光ビザなどでタイへ入国し
滞在期間中に語学スクールと契約をしてEDビザを発行してもらう方法です。
EDビザ発行までには約30日〜45日ほどかかます。
『タイでED(教育)ビザを取得するまでの流れ』について、詳しくは以下の記事をご確認ください。
取得条件
先ほども触れましたように、発行には約30日〜45日ほどかかるため
ご紹介した『ビザ延長』などを駆使して、それ以上の滞在可能日数が確保できていればタイ国内でのEDビザ発行は可能です。
発行にかかる日数や費用は学校によって違うのでスクールに問い合わせましょう。
日本で発行する場合
ノービザや観光ビザなどでタイへ入国し、滞在期間中に語学スクールと契約。
契約後に学校からの招聘状(招待状のようなもの)や
スクールとの契約を証明できる書類などを集めて一度帰国。
帰国してから在日タイ大使館にてビザを発行してもらう方法です。
(契約したスクールに書類を用意していただくのにも、二週間ほどかかるようです。)
取得条件
取得方法は観光ビザ同様にパスポートのコピー、経歴書、航空券や滞在先ホテルの予約の確認書
銀行残高証明書などの書類が必要となりますが、大きく違うのは
先ほども少し触れましたが、契約したスクールからの招聘状(しょうへいじょう)や
そのスクールがタイ教育省に認可されているのかを確認する
教育機関としての設立許可書のコピーなどの提示を求められます。
タイから帰国後、日本国内のEDビザ申請に必要な書類が足りない場合も
時間を要しますが、契約したスクールが書類を郵送してくれるなどの対応はとってくれるはずです。
こちらも書類に不備がなければ、観光ビザの発行は申請より3日ほどで発行可能です。
費用は10,000円。発行から3ヶ月有効となっております。
こちらも申請をする場所によってもビザ発行条件が少し異なる場合があるようです。
詳しくは各地域の大使館へお問合せください。
④就労ビザ
タイに移住をし、働く方のためのビザです。
就労ビザもタイ国内、日本国内とどちらでも取得することができます。
タイ国内の場合は国内の現地採用で就職をし、属した会社が発行してくれることがほとんどです。
国内の場合は海外駐在員という形で日本国内で所属している会社が発行してくれるか
もしくはオンライン面接などをしてタイの現地企業に就職が決まった場合に取得が可能です。
こちらも資料を集めて在日タイ大使館で発行することもできます。
取得条件
前提として必ずタイで就労をする人。
当然ですがタイ国内で就労しないのに取得をすることはできません。
会社で代理をしてくれることがほとんどですのでご自身で発行される機会は滅多にないかと思いますが
日本で取得をされる場合は他のビザ同様にパスポートのコピー、経歴書、航空券の予約の確認書に加え
タイの現地法人に就職する場合は、タイ側の会社発行の招聘状や会社登記簿謄本コピーなども必要になってきます。
費用は10,000円。発行から3ヶ月有効となっております。
⑤【2024年新設】デスティネーション・タイランドビザ(DTV)
2024年にノマドワーカー向けに新設されたのが、『デスティネーション・タイランドビザ(DTV)』。
海外で場所にとらわれずに、リモートにてタイでお仕事をしたい方にはピッタリなビザが発行できるようになりました。
『DTVビザの概要と取得条件』については、以下の記事をご確認ください。
⑥リタイアメントビザ
リタイアメントビザは前提として満50歳以上でないと取得ができません。
タイ国内のイミグレーションで取得する方法と
日本国内で大使館にて取得する方法があります。
リタイアメントビザを取得すると一年間滞在することが許可され
毎年一年ずつ更新することで長期滞在が可能です。
現段階では更新回数に規制などはありません。
リタイアメントビザはタイ国内にて発行したほうが必要書類も少なく、費用も安いようです。
取得条件
ビザ取得の条件として申請時に年齢が満50歳以上であること以外にも共通の条件として
1.直近3か月のタイ国内の預金額が80万バーツ(約320万円)以上
2.毎月の年金収入が6.5万バーツ(約26万円)以上
3.預金と収入の合計が80万バーツ(約320万円)以上
上記の条件一つ以上クリアする必要があります。
タイで申請される場合は、ノービザまたは観光ビザなどでタイへ入国し
滞在期限の15日前までに申請しなければならないという期限があります。
日本で取得をされる場合は他のビザ同様
パスポートのコピー、経歴書、航空券の予約の確認書に加え
戸籍謄本や健康診断書の原本なども必要になってきます。
費用は10,000円。発行から3ヶ月有効となっております。
※このビザでのタイ国内の就労はできません。
⑦エリートビザ
エリートビザは、お金を払ってビザ(長期滞在できる権利)を買ってしまうというものです。
タイの場合、高額ではありますがビザが買えてしまうのです。
空港への送迎サービスなど様々な特典もあり、お金に余裕がある方には一択のビザかと思います。
最も安価なのもは5年間、タイに出入りが自由にできるもので
価格は900,000バーツ(約3,600,000円)です。
取得条件
条件や費用、特典は各エリートビザによって異なりますので
ご検討されている方は以下から公式ホームページをご参照ください。
ご夫婦やお子様と長期滞在する場合ビザ
一人だけで長期滞在をする場合は、ご紹介したビザのうちのどれか一つを取得すれば移住をすることは可能ですが
ご夫婦やお子様など、家族と長期滞在をする場合はどのようなビザが適切なのでしょうか。
就ビザ (Non-Immigrant Bビザ)
対象者: タイで働くための仕事が決まっている人とその家族。
家族: 家族はNon-Immigrant Oビザを取得します。
デスティネーション・タイランドビザ (DTVビザ)
対象者: デジタルノマドやリモートワーカー。その家族も同行可能。
教育ビザ (EDビザ)
対象者: タイの学校や大学に通う学生。その家族はNon-Immigrant Oビザを取得する必要があります。
※政府の教育機関でない語学学校との契約の場合は、その家族はNon-Immigrant Oビザを取得できない可能性があり、家族の人数分のEDビザを用意する必要がある可能性があります。
エリートビザ
対象者: タイランド・エリートプログラムに参加し、料金を支払った人。その家族も同様に参加可能です。
在日タイ大使館 ホームページ
日本で取得されるビザに関しては申請場所によって取得条件が少し異なる場合があるようなので
詳しくは以下から申請される在日タイ大使館へご連絡・ご確認ください。
※ビザの発行手続きには事前にオンラインでの予約が必要です。
在名古屋タイ大使館ではビザの発行業務を
2021年(令和3年)5月27日をもって終了しました。
『在東京タイ大使館』
【営業時間】
月曜〜金曜 9:00 〜 12:00 / 13:30 〜 17:30
土曜・日曜・祝日定休日
『在大阪タイ大使館』
【営業時間】
月曜〜金曜 9:30 〜 11:30 / 13:30 〜 15:00
土曜・日曜・祝日定休日
『在福岡タイ大使館』
【営業時間】
月曜〜金曜 9:30 〜 11:30 / 13:30 〜 15:00
土曜・日曜・祝日定休日
『在名古屋タイ大使館』
【営業時間】
月曜〜金曜 10:00 〜 16:00
土曜・日曜・祝日定休日
ビザ取得後にタイ国外へ行くとき
ビザを取得し、パスポートが手元に戻ってくると帰国をしたり、海外旅行にも行けるようにはなりますが
取得後に何の手続きもせずにタイから出国をすると、せっかく取得したビザが失効してしまいます。
ビザ取得後にタイを出国をする際には、出国の前には必ずタイへの再入国の許可をしてもらう
ビザの『リエントリーパーミット』の申請が必要です。
この『リエントリーパーミット』の申請をすることによって、取得したビザを失効させないようにできます。
『リエントリーパーミットの申請方法と費用』について、詳しくは以下の記事をご確認ください。
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