海外に移住をする際に『NISA』や『iDeCo』に対して、何か手続きは必要なのかなあ?
近年、政府の熱心な援助や将来への不安により加入している方が増えている『NISA』や『iDeCo』。
『NISA』に関しましては、2024年から『新NISA』が開始されることになり
さらに注目度と利用者が増えることが見込まれています。
海外移住に伴い、『海外移住後もNISAやiDeCoを新たに利用することができるのか』『今まで運用してたNISAやiDeCoはどうなるのか』など
さまざまな疑問を持たれるかと思います。
今回は『海外移住に伴うNISA・iDeCoについて』解説をしていきます。
『NISA』『iDeCo』とは
まずは『NISA』と『iDeCo』について簡単に説明をします。
NISAとは
『NISA』とは、NISA口座(非課税口座)内で
毎年一定金額の範囲内で購入したこれらの金融商品から得られる利益が非課税になる制度のことです。
株式や投資信託などの金融商品に投資をした場合は
これらを売却して得た利益や受け取った配当に対し、通常、約20%の税金がかかります。
NISAには『一般NISA』と『つみたてNISA』があります。
双方とも購入した金融商品は売却をすることで、いつでも現金化が可能です。
iDeCoとは
『iDeCo』とは『個人型年金』とも呼ばれ、公的年金の『国民年金』『厚生年金』と異なり
加入は任意で、『加入の申込』『掛金の拠出』『掛金の運用』の全てをご自身で行い
掛金とその運用益との合計額をもとに給付を受け取ることができる制度のことです。
『個人型年金』と名前の通り、個人で年金を用意するような形です。
こちらもiDeCoを通じての資産運用であれば、運用をして出た利益に対して課税をされず
非課税で運用益を受け取ることができるということが大きな魅力です。
しかしiDeCoに関しましてはあくまでも『年金』として扱われますので、すぐに現金化をすることができず
原則として60歳以降にならないと受け取ることはできません。
公的年金(国民年金・厚生年金)については以下の記事で解説しています。
海外移住に伴う『NISA』と『iDeCo』
口座の維持・運用はできるのか?
『NISA』や『iDeCo』を利用する際は
それぞれ『NISA口座』と『iDeCo口座』の専用口座を証券会社などで開設をし、運用する必要があります。
これらの専用口座を利用することによって、非課税で運用することができます。
NISAの場合
海外転出届を提出し、住民票を抜いて非居住者として日本を出国する場合は
原則として『NISA口座』は閉鎖し、資産を課税口座に移管する必要があります。
ただし、あくまでも原則です。
『NISA口座』は閉鎖後も課税口座内での運用は可能です。
しかし証券口座自体も原則としては海外移住に伴い解約する必要があることが多いので注意が必要です。
海外転出する場合でも、5年以内に日本に戻って来られる場合は
出国する日の前日までに『出国届出書』をNISA口座をご利用の金融機関まで提出すれば口座が維持されます。
iDeCoの場合
『iDeCo』に関しては加入者の資格を喪失をしますが、解約をすることは原則できないため
届け出を行い、『運用指図者』として既存の積立資産の運用のみを継続することになります。
海外転出前に届出を提出して口座を維持した『NISA』『iDeCo』は
双方とも海外移住後に資金を積み立て(拠出)することはできません。
ただし、例外として『iDeCo』については『国民年金に任意加入している場合』につき非居住者でも
資金を拠出(積み立て)することが可能です。
海外移住後に新規の開設はできるの?
原則として『NISA』『iDeCo』共に口座の開設には
日本在住が条件となっているので、非居住者は新規に口座解説・拠出を始めることはできません。
しかしこちらも、例外としてiDeCoについては『国民年金に任意加入している場合』につき
非居住者でも新規の加入が可能な場合があります。
iDeCoのお問い合わせ窓口に確認をしたところ、金融機関によって異なりますが可能であるとのことです。
以下の金融機関をご参考にしてください。
【楽天証券】
国際郵便の対応不可。
日本にお住まいのご家族などに書類の受け取りをご協力いただき、居住国へ必要書類を送ってもらいます。
【SBI証券】
国際郵便も対応。
居住国のご住所まで書類が郵送されますが、一部対応不可の地域があるとのこと。
詳しくは各金融機関やiDeCoまでお問い合わせください。
手続き前に必ず金融機関にご確認を
今回は『海外移住に伴うNISA・iDeCoについて』解説をさせていただきました。
先ほど記載した通り、金融機関などによっても手続きや規約が異なる場合がありますので
必ずお手続き前には一度、お使いの金融機関にお問い合わせ・ご確認の上
お手続きを進めるようにしてください。
『海外移住で住民票を抜いた後の日本に銀行口座・証券口座』について、以下の記事も併せてご確認ください。
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